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全100件の内、新着の記事から10件ずつ表示します。 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  |  《前のページ |  次のページ》 

その手にのるな  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 5月14日(水)12時31分50秒
   岩間鶴夫「その手にのるな」、

 ある女性が殺され金を奪われるが、その容疑者としてかって妻を寝取られて間男を殺そうとしたことのある高橋貞二がマークされる。

 事件が起きた近隣地域ではこの高橋に悪い噂をたてていたが、高橋が反論しないのでいつの間にか犯人は高橋だと誰も決め付けるようになっていく。

 しかし高橋は犯行現場である男を目撃していた。

 ジョルジュ・シムノンの原作を映画化した推理ものだが、むしろ狭い地域社会での、信憑性のない噂や口コミが全く間違った解釈を平気で横行させてしまう問題を描いている映画とも言える。

 しかも高橋が目撃した男は極めて好人物として通っている上、その彼女に高橋が気があるためにあまり表立って何も言えない・・・という展開となっている。

 とは言え高橋はその後その恋人に真実を話していくのだが、後半はこの恋人が真犯人である彼氏と高橋の冤罪の間で苦悩する様が描かれていく。

 ラストのクライマックスになって、いきなり自白で真犯人が御用となってしまうところはちょっと拍子抜けするが、このクライマックスにおいても、まるで根も葉もない噂を信じ込んだ住民たちのエスカレートした愚かな暴動騒ぎがよく描かれている。

 だからタイトルの「その手にのるな」とは、濡れ絹を着せられた主人公だけでなく、この妄信的な住民たちに向けられた警告の言葉でもあるのだろう。

 推理ものとしてそう巧いわけではないが、ミステリを通じてテーマ的な一貫性は語られている一篇。
 

読みたくもない。  投稿者:ふく  投稿日:2008年 5月12日(月)17時26分21秒
  映画芸術という雑誌、何度か拝見しています。
しかし、他の本で御社が、人を傷めつけた上、満足げにその人の前で、うれしそうに、
仲間同士でほくそ笑んでいるという内容を読みました。
よく、こんな会社が続いているもんだと思いました。
二度と読みませんし、人にも勧めません。
最低ですね。
この会社は!
人を傷めつけた上でのしあがっているんだから!
 

河内ぞろ どけち虫  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 5月11日(日)11時49分17秒
   舛田利雄「河内ぞろ どけち虫」、

 河内ぞろのどけち虫三兄弟と呼ばれる宍戸錠、川地民夫、山内賢は、子供の頃から年がら年中兄弟喧嘩はしても、他の誰かと喧嘩をする時や金儲けの話になると一致団結するという三兄弟だった。

 大人になって一番どけちの宍戸は八百屋の婿になるが、相撲大会で勝利したことから土地の親分となる。

 山内賢は外国船に乗り、川地は宍戸が親分になったことでチンピラやくざの親玉になろうとしていたが、父親の伊藤雄之助が死んで、またまた兄弟は財産争いですたったもんだ揉め出すが・・・。

 テンポが快調で、関東の人間による不自然な河内弁の台詞のスピード感によく呼応した描写となっている。

 やたらとどけちでコミカルな宍戸錠も見事だが、後半になると川地民夫の啖呵の切れ味の良さも良く出ていて、全体的にスピーディなリズム感のある喜劇となっている。

 親父の伊藤雄之助も東宝喜劇で見せたテイストから飛ばして、さらに癖のある演技を見せている。

 母親役の笠置シズ子は一度引退してからの復帰作だが、こちらもいい味となっており、あくまで役者陣の濃い個性で見せ切る映画になっている。

 舛田利雄の歯切れのいいタッチがこの曲者役者陣の個性をうまく際立たせるものになっているので、一気に見れてしまう。

 その分、ちょっと軽く地味なまとまり方をしたものになっているところもあるが、テンポの良さで笑わせる活劇となっている。

 まあもうちょっとアクションシーンが派手だともっと盛り上がったろうが、痛快な愉しさは十分ある一篇。
 

実録・四国やくざ戦争 血戦 松山抗争終結篇  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 5月 8日(木)13時29分55秒
   石田和「実録・四国やくざ戦争 血戦 松山抗争終結篇」、

 大沢樹生は殴り込みをかけて服役中だが、狙われている松田優の親分のことが気がかかりだった。

 他の子分たちもそうだったが、そこへ自分の親分の恨みのある真勝國之がやって来て松田を「ちゃん」呼ばわりしたので、子分はナメてんのか・・・と激昂。

 その後真勝の子分の清水昭博が松田を射殺。

 服役中の大沢は怒りまくるが・・・。

 この映画のナレーションは定番となった森羅万象ではなく、PANTA(頭脳警察)である。

 森羅万象のドキュメンタリー的な淡々としたナレーションと違って、PANTAのナレーションは過度の思いをこめたような、まるで時代劇めいたナレーションなので、最初はちょっと気合い入りすぎな気もするが、慣れてくるとこれぐらいピッタリなナレーションもない気もする。

 森羅万象のドキュメント的な味もいいが、こういう過度の気合いを入れたナレーションもやはり内容に合っていると言える。

 映画自体は実録というよりかっての任侠映画的なリスペクトムードのものだが、変わっているのは松田を獲った真勝が実はそのことを後悔しはじめ、かって世話になった恩と、松田の深い腹が読めなかったことを悔やみだして、敵役的立場なのに平和共存を願いながら報復されるところだろう。

 後に敵討ちをした大沢は松田の意思を継ぐというより真勝の意思を継いで和解する格好となっている。

 ラストはだから全ての抗争が終結し、めでたしめでたしとなるのだが、まあこの時代劇的な展開にもPANTAのナレーションは合っているとも言える。

 抗争に継ぐ抗争が描かれているのに、意外と道徳論めいたものが中心にあり、それがわりとクローズアップされているちょっと変わった一篇。
 

現代の欲望  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 5月 4日(日)12時15分50秒
  丸山誠治「現代の欲望」、

 池部良は苦労して金貸しになった男だが、ある時司葉子と知り合い、それがかって自分が借金で追い込んだ男の娘と知る。

 罪悪感を抱える池部は司になんとか罪滅ぼしができないかと考え、司の弟の就職の世話をしたりするが、徐々に司に恋愛感情がわいてくる。

 だが池部には、かって資金面から援助を受けたバーマダム=淡路恵子の愛人がいた。

 池部良が社会のドロに塗れながらなんとか良心を失わないようにするが、現実には金、金の人生に首を絞められていく描写が秀逸である。

 特に後半、金絡みの交流を大切にしようとする池部に寄って来る両親も友人もが、結局池部の金ばかりアテにしてくることに嫌気がさし、それに池部が怒ると相手には「金の亡者」と言われてしまう件などはなかなか皮肉である。

 池辺は成り上がり者のコンプレックスからか大手銀行の株主になろうとして、それも巧妙な騙しにあって失敗するが、その描写などにもかって学生運動に挫折したことの反復のように描かれていて、意味深な描写となっている。

 丸山誠治のよくまとまった的確な描写力がうまく題材を生かしている作品である。

 池辺の金貸し仲間をただ邪悪に描かず、大銀行の手先として描き、金融構造の隠れた邪悪に焦点が絞られていく展開となって、それを人間ドラマと重ねたところもわりとうまい佳作な一篇。
 

映芸マンスリー6月の上映作品について  投稿者:映画芸術編集部  投稿日:2008年 5月 3日(土)14時11分45秒    編集済
  WEB上での告知に誤りがありましたので訂正いたします。
6月9日は竹藤佳世監督の『GUN AWAY!』(約90分)ではなく、
竹藤監督のメイキング映像を再編集したもの(約60分)を上映します。
アップリンクで上映されるものとは異なりますのでお間違えのないようにお願いします。

http://eigageijutsu.com/article/79481824.html

 

顔役と爆弾娘  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 4月30日(水)14時30分8秒
   筧正典「顔役と爆弾娘」、

 中島そのみはやたらと威勢のいい江戸っ子の下町娘で、いつもハイヒールを履いて歩くの気風の良さだった。

 高校生の弟はそれなりの不良だったが、ある時キャバレーに行って金を払えず、店の用心棒に叩きのめされる。

 それを聞いた中島は弟の仇討ちにキャバレーへ怒鳴り込むが、意外に任侠ヤクザ風で穏健な支配人代理の三橋達也に丁重に謝罪され、中島は三橋を気に入ることになる。

 タイトルはちょっと派手だが、いわゆるアクションあり、笑いあり、歌ありの東宝ラブコメである。

 中島そのみの古いアニメ声な楽しいキャラ、歌って踊れる飾らないエンターテイナーぶりが良く出ている。

 また気風のいい江戸っ子下町娘って役どころは、爆弾娘って言い方がそう誇張とも思えないほどその弾けた個性に良く合っている。

 中島は団玲子の「お姐ちゃん」シリーズに準主役的に良く出ていたが、こちらでは堂々主役である。

 顔役=三橋達也は鈴木英夫や岡本喜八他のノワール作での主演で見せていたキャラをそのまま引きずっているが、やはりここではラブコメ仕様にソフト化したキャラとなっている。

 なんとなく全部お約束通り出来ているような定型的な作りのプログラムピクチャーだが、ただそれだけの映画だと思えば楽しめないでもない作品である。

 かっての東宝下町ラブコメの小品といった感じの一篇。
 

やる気まんまん  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 4月27日(日)14時41分46秒
   杉作J太郎「やる気まんまん」再見、

 中野英雄の父が死に、企業を引き継ぐようになった中野だが経営するソープランドに出入りはするが、仕事はまるでせず。

 幹部の平口広美は実務を押し付けられ怒っていた。

 その頃岡元あつこが社長のライバル会社が売り上げを上げてきており、岡元は中野の会社を潰そうと平口を仲間に引き込み性の刺客を中野に送り込む。

 その後中野はSEXバトルを行うことになる・・・。

 漫画の映画化としては随分とその元のおふざけテイストをきちんと生かして実写化出来ている作品である。

 キャスティングもなかなかいい。

 中野英雄の舌と息子と指などを、金山一彦や松田ケイジらちょっと豪華なキャストが演じ、内輪の話をやたらと盛り込んで演じているシーンが妙に楽しい。

 それと掟ポルシェのもとでの中野の修行時代の描写は、石井輝男や鈴木則文的下世話さ満点で、杉作J太郎の面目躍如と言いたくなるシーンとなっている。

 くだらない話を趣向を凝らして馬鹿馬鹿しいエロ話として見せることに関しては、しょーもない笑いへの自己顕示的な過信がないだけに自然な馬鹿馬鹿しさになっていて、これは巧いとしか言いようがない。

 低予算の小品艶笑コメデイとしては、なんだかわかってる映画になっている。

  そんなわりとよく出来ている一篇。
 

『いのちの食べかた』特別上映会のお知らせ  投稿者:TAMA 映画実行委員  投稿日:2008年 4月25日(金)14時14分56秒
  突然の書き込み、失礼致します。
管理人様、不適切な場合削除お願いいたします。
このたび、映画『いのちの食べかた』を5月18日(日)に
東京都多摩市内で開催することになりましたので告知させて下さい。

――――――――――――――――――――
東京都多摩地区初公開!!
映画『いのちの食べかた』上映会

「いただきます」ってだれにむかって言っていますか?

きっと誰かに教えたくなる。
食べ物があなたの食卓に並ぶまでの、驚くべき旅。

世界で絶賛の「食」のドキュメンタリー映画が
東京都多摩地区初上映!!
多摩市周辺で見られる数少ないチャンスです。
ぜひ、足を運んでください!

詳細
◆日時
5月18日(日)
◆場所
ベルブホール: 多摩市立永山公民館 ベルブ永山5F
(小田急多摩線、京王相模原線 永山駅 徒歩2分)
◆上映時間
4回上映11:00− 13:30− 16:00− 18:30−
◆入場料
前売-大人(13歳以上)1000円
当日-大人(13歳以上)1200円  こども(4〜12歳・当日券のみ発売)800円

◆詳細はこちらからでも↓
http://www.tamaeiga.org/modules/tinyd4/rewrite/our_daily_bread/odb.html

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

http://www.tamaeiga.jp/

 

マリー もうひとりのマリア  投稿者:鳴海昌平  投稿日:2008年 4月23日(水)15時20分15秒
   アベル・フェラーラ「マリー もうひとりのマリア」、

 ジュリエット・ビノシュの女優はマグダラのマリアを演じていたら、そのマリアの役に取り憑かれたようにハマり、全てを捨てて行方をくらましてしまう。

 TVで宗教絡みの番組のキャスターをしているフォレスト・ウイテカーは試写会でこのビノシュがマリアを演じた映画を監督のマシュー・モデイーンに見せられ、ビノシュの存在感の見事さに感銘を受ける。

 その後ビノシュと連絡を取り合うようになったウィテカーだが、その頃監督のモディーンはキリストの描き方をめぐって論議を呼んでおり、ウィテカーも妻との現実の困難な問題にぶち当たっていく・・・・。

 なんともアベル・フェラーラらしい映画である。

 キリストとそれを信仰する人間の問題、その間に広がる濃厚な闇を、これまで「キング・オブ・ニューヨーク」や「ドリラーキラー」で見せたニューヨークの夜の闇の濃さによって今作も描きこんでいるところがある。

 宗教的な結論や解決を出して、それを安易に映画の中で感動的に描くような映画になっていないところもフェラーラらしい。

 そんな明確な解答は現実にはほとんど出ることがないからゆえに多くの人間が信心深くなりながらももがき苦しんで生きている、その様態の方をこそ、「バッドルーテナント」ほどピカレスク的ではないが、やはり「バッドルーテナント」のハーベイ・カイテルを彷彿とさせる苦さで描き上げている。

 そこに9・11以降の宗教戦争じみた状況を絡ませ、神と人間の間の闇と、現実の不穏な状況を重ねて描いているところがある。

 辛辣な表情になったちょっと老けたマシュー・モディーン、本当に「マリア」になろうとしているビノシュの希薄な気配、ウィテカーの濃い演技などもよい味。

 2005年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞した、サントラのテイストも映画によく合っている、わりと豪華キャストなフェラーラらしい秀作な一篇。
 

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