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長谷部安春監督が先日亡くなった。
最初の日活作品「俺にさわるとあぶないぜ」は都筑道夫の原作なのもあって、かなり奇天烈な岡本喜八と中平康と鈴木清順を足したような異色の素晴らしき珍作だったが、その後は実に渋い西部劇的設定のハードボイルド「みな殺しの拳銃」や藤竜也が大きくフィーチャーされた骨太な「野獣を消せ」や「野良猫ロック」シリーズなどを監督して、元々ヤクザ映画よりギャング映画をよく見て愛好していたと言う長谷部監督のセンスがよく出るようになった。
「あらくれ」のちょっと軽い主人公二人の掛け合いや、「盛り場仁義」の任侠映画なのにどこかチンピラ同時の友情が前面に出ているような変わった作風、また「組織暴力 流血の抗争」の終盤で、殴りこんだ宍戸錠と藤竜也が血まみれになって殺すべき敵のボスを瀕死の状態で待っているちょっと長いシーンの挿入の独特の肩透かしというかクールさなどに長谷部監督の粋なセンスを感じた。
その後ロマンポルノは苦手ではないかという外部の声を跳ね返すように「暴行切り裂きジャック」や「犯す」でバイオレンスタッチのポルノ路線を開拓したところに長谷部監督の面目躍如というか独自の作家性の復活を思って嬉しかった。
Vシネマでも「野獣を消せ」や「野良猫ロック」シリーズを再生しているような「ベイサイド・バイオレンス 群狼」や、宍戸錠が登場する日活アクション風の「DANGER POINT 地獄への道」などよかったが、テレビのアクション刑事ドラマでの功績も大きい。
特に最後にスピンオフを映画化した「相棒」だけでなく、「大都会」や「ワイルドセブン」「探偵物語」や「大激闘」などでのアクションタッチはテレビドラマに「映画」が確実にあったことを顕していたと思う。
晩年に至るまで現役で活躍され、現場では時に怒鳴り声を上げて活動屋の監督らしい熱さ見せ、松田優作ともぶつかりながらドラマを撮った話も伝え聞くが、日活時代から熱意を持って日本のハーボイルド映画を強く支えてきた長谷部監督のような功労者が亡くなったことはやはりとても寂しいことである。
長谷部安春監督、ご冥福をお祈り致します。
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