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小林大平「からす物語」、
田舎に住む少年はある時怪我をしたカラスを拾い、怪我の手当てをしてやる。
カラスが気に入った少年はその後もカラスに餌をやり育てるが、空に放してやってもカラスは少年のもとに戻ってくるようになる。
しかしこのカラスが隣の偉いらしい老人の庭の植木を無茶苦茶にしたことで老人は怒り、少年はカラスを飼えなくなってしまう・・・。
東映児童映画らしい簡潔さで描かれた動物もの。
少年とカラスの心温まる交流が描かれている・・・といっても昨今の動物お涙映画のようなお涙シーンをわざとらしく作ってはおらず、お話を淡々と進める中で多少描いている程度でそう無駄なシーンがない。
また後のイラン映画のような田園地帯や雑木林の中を走る少年のシーンも美しい。
ただ昨今では街中でカラスが増殖しこの映画の老人が蒙ったような被害が増大しているので、今の時代、これを少年とカラスの感動的な交流・・・・といってもちょっと微妙なところがなくはないだろう。
このようにカラスに街中で餌を与えて手なずけて近隣住民に迷惑かけたという話を聞いた事もあるし、動物愛護の気持ちはわかるし、今でも伝わるだろうが、普段カラスに荒らされている街中の公民館で教育映画として公開したら・・・やはり微妙だろう。(苦笑)
後半カラスが二度目の植木滅茶苦茶騒ぎを起こし、とうとう山本礼三郎の老人がカラスを撃ち殺せと命令し、発砲されるに至るが、周りの老婆や少年の親たちは同情ムード、そこで山本老人は「むはははは」と意味不明なリアクションをするのが変だが、それはラストのハッピーエンドの伏線であったことが判明して映画は終わる。
実に端的な映画だが、無駄のない簡潔さと田舎の風景の美しさが審美的にならずあくまでドラマ展開の中で生かされて描かれている一篇。
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