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小野田嘉幹「太陽と血と砂」、
松原緑郎は浜辺で三ツ矢歌子と仲良くなる。
松原の姉、池内淳子はもうすぐ寺島達夫と結婚する予定だったが、海で二人でヨットに乗っている時モーターボートに乗った三人組に襲われ、池内は連れ去られレイプされる。
レイプされて浜辺に棄てられた池内を見た寺島は一気にドン引きしてさっさと帰ってしまう。
それもあって池内は絶望して自殺。
弟松原は姉の死に疑問を抱き、寺島に問いただしレイプのことを聞く。
そこから松原の復讐が始まった。
新東宝B級アクションに復讐の情念が暗く燃えると実に濃いテイストの作品が出来上がる。
これはその代表例のような作品と言える。
恋人をレイプされたのに不甲斐ない寺島の情けなさと対照的に松原はどこまでもレイプ犯三人組を執拗に追うが、そこからの展開がそう単純じゃないところがいい。
途中で3人にナイフで斬りかかった松原は殺人未遂を情状酌量にしてやるという警察にも反発して前科者となり、レイプ犯はお咎めなしとなる。
その後少年院を出た松原は恋した三ツ矢がレイプ犯の一人の妹であることを知り、恋人をレイプするように犯し、出所後の復讐も一人一人に恐怖を味合わせて殺すという実に手の込んだことをする。
それだけでなく、松原は姉はレイプ殺人ではなく、あくまで自殺したという事実を鑑みてレイプ犯一人一人と自分も命を賭ける勝負をして相手を死に至らしめるのである。
最後の三ツ矢の兄と体を縛っての水上スキー対決には三ツ矢を自分が犯した罪を背負って対決すると言う。
最後はレイプ犯は溺死、しかし松原もそれを狂ったように笑って見届けてから溺死してしまう。
この出所後の松原の不気味なまでの論理的な公平さを貫いた復讐が、それがあまりに冷静に状況を認識しているが故に歪な形となり狂気の色がその姿態に浮き上がっていくところが秀逸である。
最初は一見単純な復讐劇なようで、レイプ犯側の日常に絶望した心性すら描きながら、松原の不気味な状況把握が復讐劇の歪さと狂気を浮び上がらせている新東宝活劇中でも出色な怪作と言える一篇。
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