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フリッツ・ラング「口紅殺人事件」再見、
ある時一人暮らしの女性を襲う殺人事件が起きる。
犯人は現場の壁に「母親に聞け」というメッセージを残していた。
新聞社ではこの事件を先代社長の命令で大きく扱うがその先代はそう命じた後ポックリ急死。
息子が社長となるが、この息子は幹部社員三名の一人を専務にするために競わせようとし、口紅殺人事件のスクープをしたものに専務の椅子を用意すると言う。
ダナ・アンドリュースの敏腕記者は昔馴染みの幹部社員で新聞編集長の側にたって取材し、警察とのパイプを使って犯人像を絞込み、テレビで犯人を挑発し、そのために自分の婚約者をおとりにするが・・・。
殺人事件というタイトルだが、推理ものともミステリとも言い難い。
何しろ最初から犯人は誰か分かっているし、その犯人がマザコンな異常者であることも役者の顔に書いているような芝居をしており、基本的には新聞社の出世合戦がメインの映画にも見える。
アイダ・ルピノは脇ながら悪女っぽいムードを出してダナ・アンドリュースを誘惑す記者役でこの手の犯罪ものには必要な彩りという感じである。
先代社長が病室で無理してたとは言え、いきなり急死してしまうシーンはコントっぽいし、それまで自分の婚約者を殺人者のおとりにしていながら浮気しそうになったりと悠長だったダナが、突然彼女が危ないと急に言い出す描写にも苦笑するが、全体的にかなりドタバタした展開でそれをコミカルにやっているのと設定が似ているからか、どこかフリッツ・ラングの撮った2時間サスペンスドラマみたいな趣もある。
それほどの傑作とは言い難いが、それでもキビキビと展開する描写の簡潔さには魅力ある一篇。
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