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ふろたき大将

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月26日(日)10時21分3秒
   関川秀雄「ふろたき大将」、

 広島で親を原爆や戦争で亡くしたり離れ離れになった少年二人は食い物をかっぱらって捕まったところを神田隆に助けられ、そのまま神田が校長をする似島の学校に入る事になる。

 しかし読み書きが出来ない一方の少年、石橋蓮は友人とクラスも離れ、仕事が遅く勉強もできないことでいじめを受け、いつも喧嘩になっていた。

 石橋が孤児となってから焼け跡で焚き火ばかりしてきたので火を炊くことがうまいことに気がついた神田は彼を風呂焚きの大将に任命する。

 主演の少年・石橋蓮とは、子役時代の石橋蓮司のことである。

 この子役時代からすでに表情の芝居にとても味があり、多くの子供が優等生的な子役の表情なのに、石橋はちゃんと親と離れ離れになってすさんでいる少年の表情をリアルに表現していて、この頃から後の名優の片鱗を窺うことができる。

 広島の戦災後の話だが、あくまで舞台は似島の学校になっており、そこで石橋が辛い気持ちになりながらも周りの応援もあって立派に就職できるまでを描いている。

 東映児童映画では、いつも悪役が多い神田隆が善良な先生を演じることがよくあるが、ここでもそういう善玉先生の役である。

 石橋蓮司、神田隆というわりと悪役をうまく演じる役者が若き頃に善玉として主演しているキャストも興味深い。

 最後に離れ離れになっていてずっと石橋が心で慕っていた母親がほんの一瞬でみつかったことになっている超省略描写にはさすがに拍子抜けするが(苦笑)、やはり明確な作劇と石橋少年のリアルな味が中々の佳作にしている。

 お話は確かにありがちなものだが、それでも十分味のある映画になっている一篇。
 

アパルーサの決闘

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月22日(水)10時48分55秒
   エド・ハリス「アパルーサの決闘」、

 エド・ハリスとヴィゴ・モンテンセンは前の保安官を殺したジェレミー・アイアンズが牛耳る町に新たな保安官として雇われる。

 その際にエドは自分が法律だとでもいうような取り決めをしてジェレミーの手下を酒場で見かけると撃ち殺したり、暴行するようになる。

 そのうち好きな女性と出会い、ジェレミーも拘束する二人だったが、その後は一悶着起こることになる。

 エド・ハリスが製作、監督、脚本、主演した西部劇。

 ロバートBパーカーの西部劇小説を映画化したものだが、エド・ハリスが知的な顔立ちなのにどこか不穏に暴力的で威圧感を出しているところがいい。

 クロネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の主役と準主役を入れ替えたようなキャストだが、エドとヴィゴのコンビもワイルドとクールの組み合わせという感じで中々息が合っている。

 筋立て自体はよくある展開だと思うが、エドと恋仲になる女が実は淫乱的に男と寝たがる女で相棒も仇役的なガンマンとも関係してしまい、それに対して、それはわかっているけど・・・って感じで煩悶するエドとそれをクールにみつめるヴィゴの描写などちょっと笑わせる。

 当時の風俗や衣装、建物などをわりと忠実に再現している凝った作りで、原作自体が西部劇へのオマージュ的なものだからか、アパルーサという架空の町を舞台にしたどこか日活無国籍西部劇風アクションをも彷彿とさせるが、その意味では普段は小林旭主演宍戸錠敵役で描かれたものを、錠主演、クールな相棒が旭に転換したみたいな組み合わせになってるように見える。

 だからか原作通りとは言え、最後は相棒ヴィゴ(旭)に花を持たせるようにヴィゴの決闘がクライマックスに描かれて映画は終わっていく。

 エド・ハリスの渇いた凶暴さなどの個性やそれぞれのキャラの魅力も立っていて全体的にわりとよく出来ている西部劇の一篇。
 

まぼろしの4番バッター

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月19日(日)14時13分18秒
   田中雄二「まぼろしの4番バッター」、

 少年はいつも草野球をしていてボログローブにボロ自転車ゆえにいじめられ喧嘩をしていた。

 町医者の父、せんだみつおはボロを買い換えてくれと言っても取り合ってくれない上、校医をして学校にも来るがゴリラとあだ名されそのことで少年が馬鹿にされていた。

 ある時せんだは町内の野球チームに迎えられることになるがそれはあくまでチームドクターとしてなのにレギュラー選手として迎えられたと勘違いして自主トレに励むが、真相を知った息子は必死に練習する父にそれを言えないで苦悶する。

 東映児童映画の現代版というかカラー版だが、多少ぎこちなさが残る映画である。

 父のせんだは現代の町医者で校医も務め、地域では評判の医師なのに、息子がボロばかり使っていても取り合わずに中々買ってやらない、という設定がなんとも妙である。

 別に貧乏人からは金を取らない赤ひげ医師という設定もなく、庭付きの一戸建てに住んでる町医者がなんで普通の家庭より子供が貧乏設定なのかが不自然だったりする。

 おまけに物を大切しろとかいう都合のいい説教を言うわけでもない、ただ設定上そうなってるだけだったりする。(苦笑)

  子供同士の喧嘩のシーンやカット繋ぎにも不自然さが随所に顔を出し、かっての関川秀雄などの児童映画には多少子供の芝居が下手でもそれを監督の映画的手腕でなんとかする魅力があったが、それがあまりないのが惜しい。

 しかし後半になって何ら説教臭い話も出てこずに、親が働く姿が子供らに感銘を与え、町内野球大会も大袈裟に描かれることなくいい感じで温かみのある描写となっており、映画展開の着地だけは中々うまく行っている。

 せんだみつおの個性を前面に出そうとしすぎて映画に無理が出ているところはあるが、終いにはなんとかそれなりにまとまった映画になっていくところがうまい・・わけではないが、こんな微妙な不具合だらけの映画がちゃんと映画として成立するのか・・・という不安をなんとか解消させてくれる、その意味において最後にホっとさせられる映画ではある。(苦笑)

ただ少年の父親に対する接し方の繊細さに昔の児童映画にはない現代性が出ているところは良い一篇。
 

花嫁花婿チャンバラ節

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月15日(水)13時59分45秒
  佐伯幸三「花嫁花婿チャンバラ節」、

 若尾文子はビアホールのような飲み屋で働いていたが、モテモテゆえにいつも彼女目当てに男の客が寄ってきた。

 しかし本命は扇家の次男坊だったが、この次男坊は家が決めたお見合いの相手と結婚させられそうになっていた。

 二人の間は最初はすっきりしなかったが、次男坊が求婚してから気持ちを一つにする。

 伴淳三郎の探偵を雇って若尾を調べていた次男坊の母は最初は二人の仲を承諾するも、若尾の父、柳家金語桜の顔を見て急に反対し出す。

 陽気なチャンバラ節が歌われる中、若尾の恋愛話を中心に語りながら、その周りで金語桜や大泉光晃らがベタな笑いをふりまく喜劇。

 大泉が若い頃から後の東映PVでのコメデイアンぶりとまるで同じ感じの役柄で出てくるのが嬉しい。

 金語桜は一応主役扱いになっているが、基本的には若尾の話がメインであり、どこか周りの賑やかしといった感じがする。

 森繁久弥が地味な脇役として喜劇芝居をしているが、映画が全体的にメリハリがなくいつの間にか話がかたずいてしまうような展開なので、川田晴久らも出て見せ場もあるものの、誰もがそうお笑い的に目立っているように見えない。

 お話自体が実に他愛ないものなので、なんとかお笑い陣が盛り上げて映画を持たせている感じだが、喜劇映画としてそう上出来というわけでもない。

 ラストで一気にさまざまな年齢層のカップルが誕生し、合同結婚式みたいになって終わるところはいいが、ギャグ満載な描写なわりにもうちょっと全体的に仕掛けや工夫があってもいい感じもする。

 そこそこの愉しさはあるが結局妙にまったりしている一篇。
 

『琵琶法師 山鹿良之』ドキュメンタリー映画上映

 投稿者:琵琶法師 山鹿良之 上映実行委  投稿日:2009年 7月14日(火)10時21分54秒
  書き込み失礼致します。

山鹿良之師は中世から伝わる語り物芸の伝承者であり、また法話を弾き語る宗教者として、熊本を拠点に活動した最後の琵琶法師とも称せられる稀有な存在でした。日常の姿と「小栗」を演奏する姿を織りまぜて描いた、日本の非常に古い時代の民間信仰や儀礼のかたちを捉えた、貴重な映画『琵琶法師 山鹿良之』を、2009年8月に東京で上映致します。

2009年8月6日(木)8日(土)

青池憲司監督ドキュメンタリー映画 16mmフィルム上映

『琵琶法師 山鹿良之』

1992年度毎日映画コンクール「記録文化映画賞」受賞
 文化庁優秀映画作品賞受賞

(16mmカラー・80分・1992年オフィスケイエス作品)

会場:中野区野方区民ホール
   両日 各限定248名

前売1000円 当日1200円

定員(248席)となりましたら受付は締め切らせて頂きます。
ご了承下さい。

※前売はメールにて受け付けています。
 氏名・連絡先・枚数・希望日をお知らせ下さい。

 前売チケット郵送または
 当日受付での精算・受け渡しとなります。

18:30 開場
     (上映前に監督からの挨拶があります)
19:30 上映

お問い合わせ 琵琶法師 山鹿良之 上映実行委員会
       biwa-houshi@nifty.com


http://biwa-houshi.cocolog-nifty.com/blog/

http://biwa-houshi.cocolog-nifty.com/blog/

 

標的 TARGET

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月12日(日)13時58分31秒
   浅生マサヒロ「標的 TARGET」、

 ある組織が殺し屋・若松武史を雇っていたが、ある時から竹内力の殺し屋が要請される。

 ボスの岡崎二朗は力の殺し屋のとしての腕を見込んでなんとか子飼いにしたかったものの、頑として竹内力は突っぱねるが、頼まれた仕事は完璧に行なう。

 その後若松がジェリー藤尾のマカオの組織に岡崎らのヤバイ裏情報を売ろうとしたことが発覚し、若松殺害を竹内は依頼されるが、二人の間には共通の女がいて、また力と組む川野太郎もかっては若松の相棒だった。

 竹内力にヒットマン、それもゴルゴ13的な殺し屋は実に似合うが、この作品はJAZZYなムードも盛り上げ、ちょうどかっての西村潔の殺し屋映画ーセントラルアーツの「遊戯」シリーズの末裔のようなストイックなムードとハードボイルドな情緒を出している。

 銃撃シーンも中々気を入れて撮られているし、建物に乗り込んで竹内力が何人も敵を撃ち殺していくシーンにもセントラルアーツ的なムードが漂っている。

 お話の展開はそれほど凝ったものでもないし、よくある定番プログラムピクチャー設定な殺し屋映画だが、しかしハーフな顔立ちの二人の殺し屋の間の女、若松武史の相対する殺し屋にも味があり、恋愛映画的ところもありながら、全体に漂う侘しい静的な気配にかっての和製B級殺し屋映画を引き継ぐテイストがあったりする。

 さらに続編があるようだが、竹内力にゴルゴ13的スナイパーがよく似合うだけに、新たなシリーズになってほしいと思う。

 あっさりはしているが、和製B級殺し屋映画のストイックな情緒が出ている佳作な一篇。
 

どんぐりっ子

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月 8日(水)14時00分21秒
   西河克己「どんぐりっ子」、

 田舎から家政婦になろうと上京した森昌子はさっそく前に知り合った南田洋子のところへいくが、旦那の長門裕之は森を知らず追い返されそうになる。

 しかし前に旅先で財布を拾ってもらった縁から南田は森を雇い、その後一番問題の多い子供・松田洋治と森は仲良くなっていく。

 昔はアイドルだった森昌子のただのアイドル映画と言えばそうだが、子供と森の交流が多く描かれているので児童映画のような趣がある映画。

 田舎者役の森は中々垢抜けない感じで役によく合っているが、さまざまなエピソードが出来事の連鎖的に描かれる展開で、ある時は随分長閑で温かな挿話となり、またある時は厳しい話になる、その落差がわりとあるので面白く見てはいられる。

 南田と松田が実の親子設定なのになんだか血のつながらない母子みたいで、その間に母代わりに森が入りこんだ感じもするが、実際にはそうではなく、後半森を慕って親に可愛がっていた子犬を棄てられたショックから松田が実家に帰省している森を訪ね、その後松田に会いにやってきた両親と松田の抱擁=和解シーンには、所詮自分は他人、と森がふと感じる寂しさも挿入されている。

 長門一家の同居人の他の子供や長門裕之他、長男の家庭教師とデキている南田の姪の鳥居恵子とかは本当に脇役的にしか描かれず、ひたすら森昌子の人の良さ、垢抜けない優しさと少年との友情が中心に描かれているので、まあ露骨なアイドル映画と言えなくもないが、映画全体としてはそんな感じもしない、そう悪い出来でもない家族映画みたいになっているのは西河克己の手腕故とも思える。

 ラストは子供の罪をかぶって家政婦を辞めさせられる森だが、その秘密を守ってやった松田に最後に会いに行っても、「あんまり学校に来るな、どんぐりっ子(つまり山育ちの田舎者を指す差別的あだ名)って言われるから」と松田に言われて何の救いもなく一人寂しく帰郷する森の姿で終わっているが、そこを無理にさわやかにしようとしているものの、中々皮肉な幕切れになっている映画でもある。

 長閑な温かさに満ちた映画ながら、展開がキビキビしているからか中々の佳作とも言える一篇。
 

サラリーマン目白三平 ・女房の顔の巻

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 7月 5日(日)13時55分29秒
  鈴木英夫「サラリーマン目白三平 ・女房の顔の巻」再見、

 笠智衆はうだつの上がらないのんびりしたサラリーマンだが、ある時妻に服の生地をねだられて店に買いに行ったところ、そこでバーの女に生地を買おうとして妻にその現場を押さえられた男と会い、その男のためにそこで生地を交換して、結局笠がバーの女に生地を届けることになる。

 妻の内緒で行動する笠だが今度はそのバーの女・団玲子に男へのお返しのネクタイを返す役を頼まれてしまう・・・・・。

 人のいい笠智衆のキャラがサラリーマンものには向いているが、鈴木英夫はここでも小さなサラリーマンの日常をサスペンスタッチのヒリヒリ感で描いている。

 妻に内緒での隠密行動とかバーの女との絡みとか、エリート青年の母親からの解放の手伝いをやらされる笠が人のいいキャラであるからこそ生まれる巻き込まれ型サスペンス映画の魅力がよく出ている。

 妻が笠に浮気の疑惑を持ち、家庭内の空気がヒリヒリし出す空気感の演出から、笠の浮気疑惑を妻を言いつける同級生の母が後半で息子の問題で劣勢に回ったり、あれほど知らない者同士で対立していたはずの笠の妻と団が最後にはエリート青年との結婚作戦で結託する展開など、日常サラリーマン映画とはとても思えぬ、スリリングなサスペンスの魅力に満ちている。

 小さな日常のゴタゴタをユルイサラリーマン喜劇にもせず、また安易に人情ものにもせず、あくまでスリリングに描き上げている、鈴木英夫らしい才気に満ちた秀作な一篇。
 

【締め切り延長しました】第10回TAMA NEW WAVE応募開始のお知らせ

 投稿者:TAMA映画フォーラム  投稿日:2009年 7月 5日(日)01時05分8秒
  突然の書き込みで失礼いたします。TAMA映画フォーラムです。

以前も告知させて頂いた、下記TAMA NEW WAVE作品募集について、
好評につき締め切りを延長しました!

☆応募締め切り      8月7日(金)必着
          (お早めにご応募ください)
※詳しくは、http://www.tamaeiga.org/ をご覧ください。

締め切りに間に合わず諦めていた方も、まだ間に合います。
皆様の沢山のご応募を心待ちにしております!

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突然の書き込みで失礼いたします。
毎秋、東京都多摩市で開催している映画祭 TAMA CINEMA FORUMは
本年で第19回を迎えますが、その中核をなす若手作家のコンペティション
<TAMA NEW WAVE>も今年で10周年となりました。

ショートフィルム全盛のなか、作家性を十二分に発揮した
30分以上の中・長篇の作品を募集しております。

  ☆グランプリ賞金   20万円
  ☆特別賞賞金      5万円
  ☆応募締め切り      7月10日(金)→8月7日(金)必着
                    (お早めにご応募ください)

詳しくは、http://www.tamaeiga.org/ をご覧ください。
皆様の沢山のご応募を心待ちにしております!

http://www.tamaeiga.org/

 

「あぶあぶあの奇跡」無料上映会

 投稿者:OnebyOne子ども基金  投稿日:2009年 7月 4日(土)21時37分11秒
  神戸で誕生した知的ハンディを持つメンバーで構成される楽団「あぶあぶあ」が、大ホールを満杯にし、感動の演奏をl繰り広げるまでに成長した27年のドキュメンタリー映画を下記にて上映します。

7/18(土)アムウェイプラザ仙台 11:00/15:00
7/19(日)アムウェイプラザ大阪 11:00/14:00
7/20(月・祝)アムウェイプラザ名古屋 11:00/15:00
7/25(土)アムウェイプラザ福岡 11:00/15:00
7/26(日)アムウェイプラザ金沢 11:00/15:00
8/1(土) アムウェイプラザ札幌 11:00/15:00
8/1(土)アムウェイプラザ広島 11:00/15:00

各会場 2回上映します。会議室での上映です。上映環境が映画館とは異なります。
申込み方法はHPをご覧ください。

http://larch.web.fc2.com/abuabua.htm

 

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