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追悼 高英夫

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 5月10日(日)13時49分22秒
   高英夫さんが先日亡くなった。

 シャンソン歌手として有名な人だが、やはり「吸血鬼ゴケミドロ」でのあの額が割れた顔の凄さはホラー映画史に残るべくものであろう。

 愛着のあるホラーキャラ・・・というのとは一線を画した不気味さがあの役にはあったが、映画自体の出来も良かったが、やはり「ゴケミドロ」は高英夫氏の迫力によるところが大きいだろう。

 その他石井輝男映画にもよく出ていたが、「ギャング対ギャング」、または「十一人のギャング」、早すぎた異色の怪作「大悪党作戦」などでのギャング役はピッタリだったし、石井輝男映画のどこか人工的なテイストを象徴するような独特の強烈な個性という印象があった。

 「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の看守も決まってたが、「ヤクザ刑罰史 私刑」の時もグロテスクなまでに非情な映画のテイストに高氏の個性はとてもよく合っていて映画を盛り上げていた。

 実に個性豊かな独特の味わいを持った得難い名優だったと思う。

 高英夫さん、ご冥福をお祈り致します。
 

編集後記に関して

 投稿者:  投稿日:2009年 5月 8日(金)03時53分42秒
  荒井様

今回柳下さんのベストテンに対しての反論のようなことを書かれて
いましたが、とても中途半端な印象を受けました。
反論なされるなら、全ての内容に関して反論なされてはいかがでしょうか?
実際に彼が『荒井晴彦が嫉妬した相手をおとしめるためだけにマイナス点を入れるメンバーを集めてきた、と言われても反論できまい。』とブログで述べている
内容に対してもそのような事が事実無根であるならきちんととりあげて反論すべきだと思います。
 

モンローのような女

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 5月 6日(水)13時58分50秒
   渋谷実「モンローのような女」、

 真理明美は笠智衆の飲んだくれの親父と精神病院に入っている母を抱えて金がなく、それを見かねて叔母の森光子は自分の水商売を手伝うように言うが、真理は金がほしいのでナイスバデイな体を使って水着のモデルになる。

 そこには佐田啓二のカメラマンがいて早くヌードになるように言う。

 真理には電車の車掌をしている川津祐介のボーイフレンドがいたが、森のひねくれ息子の山本圭のことも気になり、また森の愛人の加藤武にも粉をかけられていた。

 安っぽいプログラムピクチャーのようなタイトルだが、舟橋聖一の原作を映画化した黛敏郎が音楽を担当している映画。

 だが、では重厚な映画かというとそうでもない。

 全篇コミカルなタッチで描かれた松竹大船映画にしては多少エロいテーマな喜劇である。

 真理明美が金が無いなら体を売り物にして稼げ・・・と将来を心配した叔母の森に言われるなどシニカルな描写が多く、佐田啓二が相手役なのかと思ったら、佐田は別にただ真理を脱がせたいだけだったりして、映画は親父も母親も問題を起こして一家破滅寸前になり、私脱ぎますと真理が言ってハッピーエンド、みたいな終わり方だったりする。(苦笑)

その意味ではヌードシーンは水着までに抑えられているものの、中々異色なシニカル喜劇と言えるが、一番意外なのは笠智衆が真理の飲んだくれの親父役で年中赤ら顔のヘベレケ状態、終いには真理を殴りまくる暴力親父だったりして、まるで小津映画の父親像をぶち壊すかのような役柄を好演していることだろう。

 山本圭もこの頃お決まりの、ガキであるがゆえに潔癖なことを言いまくり、その後うっとーしい反抗をしつこく繰り返す小理屈言いの若僧役を熱演している。

 後半になってそれまでブラックながらも楽しく進んできた喜劇が妙に深刻な暗さに陥るところが面白いが、佐田も笠も家族崩壊の仕方も、みんな小津映画の反対なように猥雑でロクデモないところに渋谷実の小津映画への皮肉が見えぬでもない異色な一篇。
 

追悼 中丸忠雄

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 5月 3日(日)14時02分28秒
   中丸忠雄さんが先日亡くなった。

 主に東宝アクション、東宝戦争映画、東宝特撮などなどから日活アクション、東映ヤクザなどで実にジェントルである種の高貴さすら漂わせる粋な個性あるバイプレイヤーとして活躍されていた。

 特に岡本喜八の活劇映画や東宝特撮などにこの人が出てくると妙に映画のグレードが上がったように感じたものだった。

 「国際秘密警察」シリーズなども似合っていた。

 軍人役でも軍人らしい沈着冷静さを表現するとピタリとはまった印象があった。
 「大鉄人17」での役どころはある意味ハマリすぎともいえるかもしれない。

 また若い頃から刑事役もハマリ役だった。
 TV「キイハンター」での好演も忘れがたい。

 個人的には若い頃の「顔役と爆弾娘」のキャバレーの用心棒役や、「吼えろ脱獄囚」での佐藤允と一緒に脱獄したが、映画の後半で再会し敵となって、佐藤と楽しく拳銃ピンポンの銃撃戦を行なうシーンなどが思い出深い。

 これらの役柄は中丸氏の定番的役柄からするとちょっとチンピラ風の軽さがあるが、個性がよく出ていたと思う。

 つまりイメージ通りのジェントルで高貴な脇役、だけでなく色んな役を演じられる人だったということである。
 テレビのバラエティ番組でコントを演じていたこともあったが、意外性もあってこちらも中々面白かった。

 中丸氏の存在感はやはり日本映画の、特にプログラムピクチャー的作品においては実に貴重な得難い存在感であった。

 またしても素晴らしい、愛すべきいぶし銀の名優が一人亡くなってしまった。

 中丸忠雄さん、ご冥福をお祈り致します。
 

馬と少年

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月29日(水)14時09分37秒
   大島善助「馬と少年」、

 少年はある時森の中で、友達と一緒に体が弱っている御崎馬の子馬を見つけて看病する。 その後ホロと名付けて子馬の世話することになるが、 馬には馬の一生というものがあり、それに直面して葛藤する。

  天然記念物に指定されている宮崎県都井岬の御崎馬と少年の交流を描いたものだが、そのようなドラマは半分あるだけで、半分は御崎馬についてのドキュメンタリー映画のように三国一朗のナレーションが解説しまくる映画になっている。

 御崎馬の生態と、日本人の古い祖先の歴史とも関わる古代的なスタイルの馬である御崎馬を語ることで、馬の歴史と日本人の歴史を解説していくが、それが少年と馬のドラマに被っていく。

 だからドラマ的にどうのというほど物語が語られているという感じではないが、たえず馬の歴史と関連してドラマが進行していくので唐突に巻き起こる事態の急変にも多少の深みが出ているとも言える。

 とは言え最後に仲間がやってきてそれに反応して馬小屋を出て行ってしまうホロを平気で少年が自然の摂理として許したのか、それとも勝手に出て行ったのかがちょっとはっきりしないところは省略しすぎな気もするが・・・。

 しかしこのラストシーンにはこの映画の中で一番ドラマ的なものがあると言えばあるのだが。

 ドラマ的に教育的意義を語ることが多い東映児童映画の中では、ドキュメタリー系の教育映画と東映児童映画が合体した映画と言えるだろう。

 自然の中で馬の骨にわずかばかりの弔いを行なう少年のシーンや自然の中にいる馬のシーンなどには美しい映像もある一篇。
 

スタチ"オ超特急

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月26日(日)14時31分15秒
   尾崎甫「スタチ"オ超特急」、

 朝丘雪路は松竹大船撮影所で働く男らに金を貸していたが、彼らは返す金がないのでスタジオ内を変装して逃げまくるが、実は雪路はそのうちの一人に惚れていたのもあって追いかけていたのだった。

 松竹会館開館記念として作られた当時の松竹スターが総出演の映画だが、スターはほとんど編集されて挿入される過去の作品や撮影所にたまたまいた通行人や撮影中の立場でエキストラ的、というかカメオな感じでに出ているだけである。

 一応朝丘雪路主演の撮影所を舞台にした小芝居みたいなドタバタ話はあるが、それはまるでエキストラ的に登場するスターの顔見せのためにあるようなお話で大したものではない。

 朝丘演じる小芝居にスターが出演した映画の一部がカットバック的に挿入されたり、回想的に挿入されたりはするが実に無理矢理である。(苦笑)
 ただそれは相当によく言えばだがヌーヴェルヴァーグ的な挿入と言えなくもないが。

同種の「スタジオは大騒ぎ」などと比べてもかなり軽い出来と言える。
 ラストは実はその朝丘主演の小芝居すらある映画のワンシーンの撮影風景だったとわかるが、そこもヌーヴェルヴァーグ的・・・とあくまで相当良く言えばだが言えなくはないだろう。

 基本的に小さな余興映画みたいなものだが、もうちょっとスターさんに見せ場を作ってもよさそうなものなのに、回想的に他の映画を挿入したり小芝居に映画の断片を無理につなぐだけってのは面倒臭かったからかとすら思えてくるほどテキトーである。(笑)

とは言え気楽な楽しさだけは出ている一篇。
 

ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2009

 投稿者:ショートショート実行委員会  投稿日:2009年 4月23日(木)18時24分45秒
  SSFF & ASIA 2009 映画祭ボランティアスタッフ募集!
米国アカデミー賞公認映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル& アジア」

毎年6月にラフォーレ原宿で開催されています。今年は表参道ヒルズ スペース オー、横浜みなとみらいBrillia SHORT SHORTS THEATERも会場に!
毎年、シーズンが近くなると事務局業務は激務に突入します。今年も映画祭の運営を強烈にサポートしてくれる、情熱ある仲間を大募集!!
あなたの手で国際的な映画祭を盛り上げてみませんか?
まずは気軽にHP
http://www.shortshorts.org/
「ボランティア募集」より応募下さい

【映画祭 会期】
2009年6月4日(木)〜6月7日(日):表参道ヒルズ スペース オー
2009年6月5日(金)6月6日(土):TOHOシネマズ六本木ヒルズ*
2009年6月10日(水)〜6月14日(日):ラフォーレ原宿&ブリリア ショートショート シアター
2009年6月14日(日)アワードセレモニー:明治神宮*
※TOHOシネマズ 六本木ヒルズ会場での参加活動はありません。
※アワードセレモニーは一部のみの参加になります。

http://www.shortshorts.org/

 

刑事物語 小さな目撃者

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月22日(水)14時14分33秒
   小杉勇「刑事物語 小さな目撃者」、

 ある時守衛が強盗と共謀して薬を盗み出すが、その様子を夜中に起き出した子供が見ていた。

 だが子供が守衛のやっていることを何気に親に話したので親=守衛は強盗を追うが撃ち殺される。

 捜査に乗り出した益田喜頓と青山恭二の親子刑事らは子供が何か見ていないかと思い世話をすることになるが手を焼く。

 刑事物語シリーズの一作だが、目撃者となる小さな子供が芝居しているようには見えないリアルなそこらの子供っぽさなので、冒頭両親が殺されるシーンにも悲痛さが漲るし、その後の益田、青山の親子刑事とのやり取りにも微笑ましいものがある。

 この益田と子供のコンビぶりが中々楽しいので、映画自体にも温かい風情が漂う。

 事件捜査の方は犯罪者と刑事の駆け引きだの葛藤はそれほどなく、犯人グループがボロを出す形で犯行が発覚していく展開だが、キビキビと描いているので悪くない。

 特に犯人逮捕のシーンで子供が急に目撃証言を言い出して犯人逮捕に至るまでの展開はなかなかスピーディである。

 ラストに出てくる子供の祖母というのも実に普通のお婆さんのリアルさで、祖母に引き取られる子供と益田の別れの場面にもほのぼのしたリアルさがある。

 犯罪ドラマとして特別よいわけではないが、益田喜頓と子供のやり取りの温かみと愉しさで見せる作品になっているので、その意味ではシリーズ中でも良い出来と言える一篇。
 

特になし

 投稿者:特になし  投稿日:2009年 4月21日(火)15時51分2秒
   あるHP(http://news.ameba.jp/entertainment/2009/01/32894.html)に「映画に描かれていることは真実」などという表現がありましたが、作品の内容について具体的事実を明らかにしないならば警察機関に対する「侮辱罪」、また、全くの虚偽に基づいて製作されたものであれば警察機関に対する「信用毀損罪」ということになりはしませんか?この国は、法治国家なのですから「確定した不正事実」が存在するならば、定められた方法に則り、訴えを起こすべきです。「こういうことは許されない!」ならば尚更です。

 もしも、「確定した不正事実」が存在せず制作者の思い込みのみで制作されたのであれば、この様な社会風刺作品を世に出し、視聴者に曲解や誤解を与えるようなことはすべきではありません。個人的には、かえって社会全体が重苦しくなるだけだと思います。
 また、そうではなく、実は単にスリルとサスペンスの商用目的作品だったとするならば、作品全体についての主張は何の説得力も意味も持たなくなり、やはり迷惑作品でしかありません。更には、「靖国」はドキュメントですが、この作品は仮想に近いものですから、同列に考えるべきではありません。

 警察について、薄暗いようなイメージを持っていないといえば嘘になりますし、個人的に嫌な実体験もある上、警察も人間である以上は、利得や不正にまみれた様な実態も「あるかもしれない」とは思いますが、この様な作品が増えることについては反対で、評価や賛同はできかねます。

 今後もクリエイターとして活動するならば、見る人に「希望」や「楽しさ」を与えるような作品を作り期待していますし、そのようなアプローチから社会を変えていくことも全く不可能ではないと思います。
 

追跡者

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月19日(日)14時07分10秒
   川島雄三「追跡者」、

 警察に追われる途中強盗の佐野周二は幾野道子と出会う。

 その後仲良くなる二人だが、佐野は盗んだ金を仲間と分けるためある場所へ向かう。

 そこには仲間の山本禮三郎がやってくるが、彼にはム所で知り合った若者がついてきたので佐野は怪しむ。

 もう一人の仲間、殿山泰司がなかなか現れないので佐野と山本は揉めるが、殿山は足を警察に撃たれて引きずりながら現れる。

 川島雄三の犯罪劇だが、疑心暗鬼な連中が疑いあったり、裏切り合ったりという展開は川島らしいものの、もう一つサスペンス味が薄く、もたついた感じがする。

 それは山本が連れてくる子分が想像通りの正体を明かしたり、彼らの後半の裏切り合いがはなから見え見えだからで、それゆえに展開に面白みがないからかもしれない。

 幾野道子が佐野の愛人的存在となっていくが、いかにも逃亡者の情婦役にピッタリ似合っていて中々味を出していると言える。

 終盤もせっかくの犯罪劇が松竹大船調の人情メロドラマ風に終わってしまい残念だが、まあそこに情緒が出ていると言えば出ている。

 川島雄三作としてはそう誉められた出来というわけではないが、強盗たちが集うホテルの一室のテイストがちょっとだけ良かったり、佐野の弱さと犯罪者的な絶望が相まった相貌がそう悪くなかったりするところもある一篇。
 

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