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投資令嬢

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月15日(水)14時27分50秒
   枝川弘「投資令嬢」、

 叶順子は株に凝っている女子大生で野添ひとみと一緒に日々儲けることばかり考えていて、気の弱い草食男子みたいなのをアゴで使っていた。

 ある日山小屋での儲け話にのって商売に出かけるが、そこである山男に救われ惚れこむが、男とはまた街に帰ってから出会うことになる。

 まるで今の時代の株で儲けることばかり考えている女性を描いたような映画だが、投資令嬢というタイトルを過剰化させたキャラにしているので、全く打算的で自己チューで思いあがった実に性格の悪い精神的ビッチ女を主役に添えたような映画となっている。

 今の時代で言えば人生に苦労する前の勝間和代・・・みたいな女の、あまりに株式投資的にしか人生を考えられない打算的極まりない悪女を主役にしたラブコメ(苦笑)みたいな映画とでも言おうか。

 だから見ていてこの主役の叶順子にはやたらムカつくのだが、ある意味この銭儲けのためというか自分の欲望のためにはゲイっぽい草食男子をあごで使って上から目線で利用しまくり、今悪口を言っていた年長者に金のためなら平気で擦り寄って利用しようとし、その挙句ろくに礼儀も知らない上に、気の強さと見た目の良さだけで威張っている・・・・なんてろくでもない叶の姿は女性の本性剥き出しの姿を描いているようにも見えて奇妙なリアリテイがないこともない。(笑)

 そんなろくでもない打算女がラブコメ展開でハッピーエンドとなる映画なところが実にロメール的だが、しかしそこには皮肉も何もない。
 長閑なムードのラブコメなのにそんな女の逞しさが強調されて終わってしまう映画である。(笑)

結局叶に出し抜かれる友人の野添にしてもロクな女じゃないし、あまりにもロクな奴が出てこないので、結局頑固者の老人に見える海千山千の東野英治郎が一番の好人物に見えてくるほどである。

 投資令嬢というものをあまりに露骨なキャラに描いてしまったがために、ムカつかせながら笑わせるなんて喜劇を何のシニカルさもなく素直に描いてしまっている・・・・という映画である。

 渥美清が叶と見合いする人のいいボンボン役で脇で出てくるが、まるで人情味ゼロで自己チューに次ぐ自己チューな行動と思考を連続させる叶順子とは対照的な役柄となっている。

 酷い極悪自己チュー女が幸せになるラブコメ(苦笑)・・・なようで、女の本性が剥き出しで描かれた映画とも見える異色な一篇。
 

恋愛特急

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月12日(日)13時50分24秒
   鈴木英夫、杉江敏男「恋愛特急」、

 レビュー劇団の脇で生きている越路吹雪だが、恋人の小泉博が「東京祭」という脚本を書き、いつか彼女主演の舞台にしたいと言う。

 劇団では多くのダンサーたちが役につけない上に過剰労働で苦しみ、とうとうあるダンサーが倒れたことで岡田茉莉子は志村喬のプロデューサーに文句を言う。

 ある時志村は「東京祭」の台本が気に入り舞台化しようとするが主演スターがギャラのことで休暇を取ると言い出す。

 長閑なミュージカル映画風タイトルで主演が榎本健一になっているが、エノケンはまるでゲスト出演のようにお話の合間に出てくるだけで基本的に越路吹雪主演である。

 杉江敏男のお得意のベタな恋愛喜劇に、鈴木英夫的なバックステージの過酷な現実話が絡んでいるといった感じの映画だが、そのどっちつかずの明暗のゆれ具合にちょっとした緊張が走る。

 「東京祭」なんてベタなタイトルをやたらみんなが気に入る、なんてユルイ話が、いつの間にか鈴木的な非情な現実に直面したり、越路が町の祭りで偶然エノケンと歌ってるところを志村が見て、小泉の希望もあって不遇なダンサーから一気に主演スターに抜擢される展開のご都合主義が、結局スターシステムの非情に回収されてしまう現実に至る・・・・というこのユルさと過酷さの按配に独特なものがあり映画を実に魅力的に蛇行させている。

 そんな映画なのに大して出てこないエノケンが主演とこの映画がなっているところにまで奇妙な皮肉が効いているように見えてしまう。

 東宝らしい長閑なダンス恋愛映画とそのバックステージの非情が平気で同居して繋がっているところが妙に面白い佳作な一篇。
 

おくりびとの評価について

 投稿者:abraxas  投稿日:2009年 4月12日(日)09時37分55秒
  貴誌が評価を下した、おくりびとがworst1という評価の真意を知りたい。映画は芸術でなく娯楽だ、あなた方の押す映画はすべて作り手側の自己満足度、マスターベーションの度合いではないのか?貴誌のベスト通りに退屈で駄作がならぶ。所信を知らせてください。世の中を斜にかまえて軽蔑するような、ある意味娯楽音楽であるJAZZを芸術ととらえくだらないカビの生えたような音楽をいつも金科玉条のごとく持ち上げる、我が国のjazz評論家にも似ている貴誌の態度。非常に不愉快です。大衆を見下さないでください。  

(無題)

 投稿者:abraxas  投稿日:2009年 4月12日(日)09時36分25秒
  貴誌が管差日田おくりびとがworst1という評価の真意を知りたい。映画は芸術でなく娯楽だ、あなた方の押す映画はすべて作り手側の自己満足度、マスターベーションの度合いではないのか?貴誌のベスト通りに退屈で駄作がならぶ。所信を知らせてください。世の中を斜にかまえて軽蔑するような、ある意味娯楽音楽であるJAZZを芸術ととらえくだらないカビの生えたような音楽をいつも金科玉条のごとく持ち上げる、我が国のjazz評論家にも似ている貴誌の態度。非常に不愉快です。大衆を見下さないでください。  

ビキニ航空

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月 8日(水)13時55分41秒
   フレッド・オーレン・レイ「ビキニ航空」、

 遺言で航空会社を引き継ぐことになった女は、その経営実態を調べてみるともはや火の車でなんとかして会社を建て直そうとする。

 そのためにスチュワーデスにビキニを着せてお出迎えというのを実行するが・・・。

 お話はあって無いようなもので、ただビキニを着せて客のお出迎えサービスしても大してうまく行かず、結局どこぞの金持ちのために貸切接待するのにエロなシーンが出てくるだけの映画。

 クレジットには脚本と監督に別名を使っているが、フレッド・オーレン・レイらしい映画、と言ってしまえばまさにそれだけのタイトルまんまの映画である。(笑)

 そのエロシーンすらもソフトなものでしかなく、延々とユルイ描写が反復するだけのことだったりする。

 プログラムピクチャーっぽいテイストは出ているが、ここまで何も無いとピンクやロマンポルノのスチュワーデスものの艶笑喜劇にいかにちゃんとお話があったかを実に思い知らせてくれる。(苦笑)


一応恋愛描写的なところがなくはないが、そんな演出は皆無でただ設定でそうなってるだけだったりする。

 かってロッセリーニの「イタリア旅行」を見て、ゴダールが映画は車と男と女がいれば作れるみたいなことを言ったが、そんな断言など歯牙にもかけずこの映画はビキニのスチュワーデスを出してくるアイデアだけで一本でっち上げてしまっているとは言える(笑)

 最後にビキニフランケンシュタインってのを製作中・・・・と告知されているがまあその程度はきっとこれと変わらんだろう。

 見事に脱力させてくれるあまりにシンプルすぎる(苦笑)一篇。
 

追悼 大木実

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月 5日(日)14時03分29秒
   大木実さんが亡くなった。

 若い頃の松竹時代の二枚目役から東映ヤクザ映画などに移行し、その後老いて尚活躍されていた。

 若い頃から「あなた買います」の、したたかなスカウトされる新人プロ野球選手役、「楽天夫人」のどう見ても夢しか見てない妻に負担をかける旦那役など、どこか癖のある役をやっていたが、「聖女と拳銃」の鰐淵晴子に義理立てするヤクザ役などにハードボイルドな味わいがあった。

 また「黒蜥蜴」で明智小五郎を演じていたのも印象深い。

 東映任侠映画では鶴田浩二とよく出ていたが、「博徒列伝」の兄弟分役などイケイケ極道の鶴田と対象的な感じの親分役だった。

 石井輝男の映画にもよく出ていたが、やはり東映ヤクザ映画にかかせない人だった。

 老いてからは関本郁夫「女帝」の黛ジュンを愛人役にした、実在の人物をモデルにした社長役などが印象深いが、やはり篠崎誠監督の「忘れられぬ人々」の老人役には老いて尚気骨なところを感じさせた。

 日本映画、特にプログラムピクチャーにおいて、善玉から悪役までピタリとはまって演じられる名優だった。

 大木実さん、ご冥福をお祈り致します。
 

十七歳の成人式

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 4月 1日(水)14時16分3秒
   岡崎明「十七歳の成人式」、

 八並映子らは年頃らしく性に興味があったが、授業ではろくにセックスのことがわからんので自分たちで自主的に性講座を開くようになる。

 がそこからそれぞれの問題が巻き起こり出す。

 大映性愛青春路線らしい、糞真面目なんだか不良なんだかわからない不思議な連中が例によって描かれている。

 だいたい学校にもっと具体的にセックスについて教えろ・・という要望書を出す訴えからして妙に真面目臭いし、自分らで行なうセックス講座の堅苦しさなども今時どこにもいないほどの真面目な学生ぶりを示している。(苦笑)

 その自主的性講座の講師が芸者役の三原葉子ってのは超適任であるが、三原がこんな大映の青春映画でもお色気担当として出ているのがなんだか可笑しい。

 しかしこの不思議な真面目くささには実は八並ら主人公たちのそれぞれの事情があり、実際優等生らはブルーフイルムが見たいだけだし、すでにマリファナや中絶まで経験している不良グループはただ面白がって付き合っているだけだったりする。

 そのことが後半になって明らかになってくるが、とは言え映画のタッチはあんまり変わらない。

 結局一番糞真面目な主人公らが退学させられて、他の優等生や不良らはお咎め無しってとこには中々皮肉が効いているが、そこも妙にさわやかに終わっていく。

 大映性愛青春ものにしては、性に対する馬鹿馬鹿しいほどの真面目臭さばかりでなくどこかに醒めた視点が入っているが、それでも映画自体は奇妙なテイストに溢れている喜劇の一篇。
 

旅愁の都

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 3月29日(日)13時49分23秒
   鈴木英夫「旅愁の都」、

 宝田明は女にもてるタイプだが女性を見る目が厳しく中々結婚しなかったが、ある時乙羽信子の叔母さんのカフェに働きに来た暗い影のある女性に惚れる。

 しかし宝田には志村喬と淡路恵子から浜美枝の縁談の話があり、それに付き合わされて沖縄まで行くが、宝田ははっきりその縁談を断る。

 実は淡路が宝田に気があったのだが、宝田はカフェの女性に気があった。

 恋愛映画ではあるが、そのタッチはさすがにサスペンススリラーの天才、鈴木英夫であるからか、妙にスリラーなタッチで描かれている。

 サントラも、終始まるでヒッチコック映画のニューロティックなサントラのようなものが流れて不穏な気配を伝えており、それもあって恋愛映画なのに、どこまでも男女の恋愛におけるサスペンス劇、というか宝田が惚れる女性の暗い影の謎を追うような展開となっている。

 それが成瀬巳喜男映画の暗い影とも違う、明らかにスリラーじみたものなので、そこに鈴木のノワール映画的な非情の影も出ていると言える。

 宝田にも東宝恋愛映画の二枚目にしては随分暗く、結局映画はまさにサスペンス映画のように女の暗い影の正体が発覚し、淡路恵子の、愛してくれない男のために全てを失う切迫感まで描かれる。

 鈴木作品としては「その場所に女ありて」に近いテイストの作品だろう。

 ラスト、急に宝田の歌が流れて野天気な感じになるのにはちょっと拍子抜けするが、しかし旅愁の都たる沖縄をドライブする男女の姿には前途多難な影がまた差して終わっていく。

 そんなサスペンススリラー的な緊張感と暗さが恋愛映画の醍醐味と緊張に代替されているような、実に異色な秀作の一篇。
 

「GOTH」

 投稿者:竹内です  投稿日:2009年 3月29日(日)00時35分47秒
編集済
  勝負は「美しい死体」が出せるかだなと思った。

原作ではいくつかのグロテスクな死体の描写が出てくるが、これを映像化するとなると
あまりに現実的でないものが相当あり、特殊メークの技術も相当高度なものが必要になる。そうなると低予算の邦画では厳しい。かと言って何の毒もないシーンにしてしまうのは厳しい。そうなると必要なのは「美しい死体」だ。

「美しい死体」というと一番上手いのがデビッド・リンチ監督で「ツイン・ピークス」とか「ブルー・ベルベット」とかとにかく死体を綺麗に撮る事にかけては天下一だ。あそこまで及ばないにしてもそこを目指せるかと思いながら小屋へ足を向けた。

結果はなかなか上出来で、江戸川乱歩の「盲獣」や「地獄の道化師」風の死体の出し方が頭にあったのかもしれない。出だしから上手くスタートを切ったので、こら行けるぞと思っているとまさにその通り。乙一の世界の「孤立感」、主人公が周囲との接触に何かしらの障害・抵抗感を持っているという要素を遺憾なく生かし、サスペンス映画として、そして主人公たちの中でひとつの時期が終わる青春映画として見事に完結する。銀残しが喧伝されているが、それ以上に外の光景を光でとばしている絵が実に効果的で、主人公の疎外感と上手くマッチしている。なかなかこの撮り方上手くやらないと嫌らしくなるが、この映画に関しては実に上手く行っている。

うれしかったのは速水今日子の役が今回大きかったことで、いつもピンク映画での見事な仕事ぶりから、もっと大きな役がやれたらなあと思っていたので喜ばしい限りである。
その分夏生ゆうなや山中崇や鳥肌実といった面々が恐ろしく小さな役で、恐ろしく贅沢に使われているのはどうかなあと思うが、あれだけの面子でないと映画に風格がつかないし、すぐ犯人が分かるので、やむ終えないといえばやむおえないのだが。あと「突破者太陽伝」以来、高橋玄組常連の新橋鳩美やもうどれだけ出演した映画があるのだろう、映画評論家の塩田時敏氏や最近では監督も多い中田圭氏も出演している。どこで出てくるかは映画を見てのお楽しみ。
 

訂正

 投稿者:鳴海昌平  投稿日:2009年 3月25日(水)18時26分9秒
  訂正:急に寺に鐘飛んでいってが付き→急に寺に鐘が飛んでいって付き  

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